北野沙羅 個展「色のあわい」

北野沙羅 個展

色のあわい

2026年 9/21(月)- 26(土)
12:00-19:00(最終日 11:00-16:00)

アートスペース羅針盤
〒104-0032 東京都中央区八丁堀 2-22-9 エクセルビル1階
八丁堀駅 A5b出口からすぐ
TEL:03-5244-9515
https://rashin.net

色のあわい

私は、理由を先に考えるのではなく、純粋に心を惹かれたものをモチーフに選んでいます。

その時、見ているのは形や色だけではありません。光の気配、その場に漂う空気、匂いや温度。目に見えるものの周りにある、言葉にならない感覚まで含めて、描きたいと思うのです。

そうした感覚を画面に残すために、日本画の絵具を重ね、にじみやたらしこみを用いています。輪郭を固定しすぎず、色や形が揺らぎながら立ち現れるこの技法に、目に見えるものと感じるもののあいだを表せる可能性を感じています。

水や絵具の動きによって生まれる表情は、すべてを思い通りにすることはできません。その偶然を受け入れながら、現れた形や表情を見つめ、残すものと描き加えるものを選んでいきます。

偶然に現れたものを見つめ、選んでいく中で、自分が何に心を動かされ、何を美しいと感じるのかも、少しずつ見えてくるように思います。

私にとって「色のあわい」とは、色と色のあいだだけでなく、目に見えるものと感じるもの、意図と偶然、その境目に生まれる揺らぎのことでもあります。私は、その揺らぎを見つめながら描いています。

こうして絵と向き合う中で、私は今も、いい絵とは何だろうと考え続けています。

その答えはまだ分かりません。それでも、よりよい絵を求めて描き続けたいと思っています。

なぜなら、絵を描くことそのものに喜びがあるからです。

絵と出会えたことを大切に思い、描き続ける時間は、私にとって日々を生きる喜びのひとつです。

今回の展示では、目に見えるものの周りにある、色や光、空気、言葉にならない感覚を作品として並べています。

絵の前に立った時、それぞれの作品の中にある「色のあわい」に、ふと触れていただけたら嬉しく思います。

北野沙羅